【完】籠球ロマンティック
皇律子のプレイヤーとしての凄いところは、その小柄さをカバー出来る程の運動能力と、それを活かすことの出来る判断力だ。
終始楽しそうに可愛い顔を微笑ませドリブルをする皇律子に、正直食らい付くので精一杯。
一年バスケから離れていたせいか、息が上がり、動きが鈍る。
それを、目の前の小さなスタープレイヤーは決して見逃してはくれない。
急速に動きのスピードを上げた皇律子は、右の指先でぐるん、とボールに回転をかける。
その回転で鋭く反対側に跳ねたボールに俺が手を伸ばした刹那、更に皇律子のスゴ技が炸裂。
そのボールを左手で取ったかと思うと、自らの体を翻し、360度回転して、俺が手を伸ばした更にその先から、俺を抜き去った。
そのまま軽快なスピードでゴールへ一直線。ポイ、とゴールにレイアップを沈める。