【完】籠球ロマンティック
「ねぇ、レンってもしかして……我妻北中の7番、じゃね?」


そして、もう片方のダイスケが、ふっと俺に向かってそう言った。


「わ……良く分かったな。あれあら随分見た目変わってんのに」


「あーいや、最近……」


当時の『香椎恋夜』と今の『香椎恋夜』が同一人物だと分かったのは、リッコ以来二人目だ。


理由を告げようと、ダイスケが口を開いたその時。ホントに、そのタイミングに。


「悪ーい!遅れた!……ってあれ?レン、じゃね?」


体育館に、剣里高校のもう一人が物凄い勢いでやって来た。


その男は、俺にとって良く見知った男。だって……


「……トラ?うわ、マジでか!あんたが剣里行ったのは知ってたけど、まさか、こんなとこで会えるなんて」


トラこと、浜崎虎次郎(はまざき こじろう)は、俺の中学時代の大事なチームメイト。俺の栄光時代の相方、PF( パワーフォワード)のポジションだった男。
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