【完】籠球ロマンティック
その様子に、トラはサラサラなナチュラル天パーを揺らしてくしゃ、と表情を崩す。


「うわぁ、美鶴とやり合うなんて、あの子可愛いのに凄いね」


「こっちがビビるわ。何なの、女同士ってなんであんな仲悪いの」


コートの真ん中、ホントにど真ん中。リッコと美鶴とかいうあのマネージャーの女が、ギャーギャー言い争っている。


何とか止めようとするハーシーがオロオロし、たじたじと言わんばかりにマカロンが瞬きの速度を早めてる。


「……とりあえず、俺達も行っとく?」


「うん。行っとくか。嫌だけど」


関わりたくない俺とトラはだんまりだったが、見兼ねたサクが助け船を出し、ダイスケが本音駄々漏れで答える。


うん、しゃーない。あのままじゃハーシーとマカロンが可哀想だし行こう。


多分、ここに残ってる男四人、皆考えてることは同じだ。


女のフルパワーには、何人で立ち向かおうが勝てない、と。きっとそう思っている。
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