【完】籠球ロマンティック
直接あの言い争いに入り込む自信のない俺達は、そっと回り込んでハーシーとマカロンの方へ。


「おーい、ハーシーパイセン、これは一体、どうしてまたやり合ってるの?」


「えっとねぇ、うーん。どうしてってのは、再現するから考えてよ、皆で」


一部始終を見ていたらしいハーシーは、マカロンと二人で寸劇を始める。


「まず、1on1をしていた俺達のボールが、彼女の方に転がって、二人で取りに行きました」


説明を始めたハーシーは、マカロンと並んで小走りの動きをする。


「んで、彼女がボールを拾ってくれて、マカロンを見上げました、と」


ハーシーが、自分のポジションからマカロンの目の前に立って、美鶴のポジションに入る。


そして、いつもの一重の大きな瞳をぐっと細め、多分モノマネをしてるのだろう、その顔でマカロンの爪先から頭のてっぺんまでをじろり、と観察する。


さっき話しかけた時、俺やハーシーにした動きと同じだ。


「……グッジョブ」


結構似てるかも。さっき俺にやったあれと全く同じ仕草だ。マカロンは美形で本物のイケメンだから、俺の時より力がこもっていたに違いない。
< 256 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop