【完】籠球ロマンティック
コートには、先にストレッチを行うハーシーとマカロンの姿。


高校生とはいえ、有名な強豪校相手だ。それを理解してるのか、二人の気合いの入り方もいつもと少し違う。


ハーシーはミディアムショートのふわふわパーマが邪魔にならぬようサイドの髪の毛を後ろでひとくくりにしている。


マカロンは、何故だかピアスの穴をひとつ増やしていて余計にいかつい見た目に。


「イッツんやリッコが最高のステージを準備したんだ。俺達も最高の演者になろう」


「もち。勝つ、しか、ない」


「おーう、あたぼーよ」


ストレッチを行いながらわくわくしているのを隠しきれない二人に、俺もわくわくが踊り出し、笑顔になる。


「アップが済んだら今日の作戦を話すから。異論があったら言って頂戴」


わくわくしているのはリッコだって同じ。知的にキラキラと輝く瞳を見て、に、と笑って見せる。


「頼むぜリーダー。俺達を生かすも殺すも、あんたの戦術次第だ」


「殺すわけ無いでしょ、私を誰だと思ってるのよ」


俺が拳を突き出せば、リッコも俺より小さな白い拳をゴツ、とぶつけて来た。
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