【完】籠球ロマンティック
イツのDJプレイに、徐々にギャラリーの数が増え始める。


「こりゃ、予定早めて始める予感プンプンじゃね?」


「わく、わく」


ギャラリーを煽り、楽しそうにやっているイツに、俺は笑いマカロンはいつも通りゆったりとした口調で話す。


《Hey lady?ついでにgentleman!遠巻きに見てないで一緒に楽しもう!ショータイムの始まりだよ!》


増えてくるギャラリー達に、俺達スネイク・オーバドゥメンバーのテンションは高まっていく。


高架下のコートでの練習試合に観られるのにはそこそこ慣れているからか、緊張がないと言えば嘘になるが、俺達は楽しんでいる。


それに比べ、このテンションと空気感は初めてなのか、剣里サイドは緊張の色が隠しきれない様子。


「こんな大勢の前で負けたらはずかしーぜ?」


そこに、追い討ちをかけるように挑発すれば、トラが緊張を滲ませつつも、ニヤリ、と口角を上げる。


「辱しめを受けるのはお前達だろ?」


「おーおー、言うねぇ」


これまでの草試合とは違う緊張感が、コート内の俺達を押し潰すよう。
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