【完】籠球ロマンティック
《それじゃあ今日の主役達を紹介しようか?あ、ちなみにお送りしますのはDJゴジラっです!》


イツは自己紹介を挟みながら、洋楽にゴジラの曲をリミックスするプレイをしてみせる。


ズン、ズン、と音が響く空間に、ギャラリーの歓声が足され、空が更にクリアに見える。


《まずはロリ巨乳リッコを中心に組まれた、アンバランスなようで絶妙なバランスを保ったストリートチーム『snake aubade』だっ!》


解説と、計算されたかのように代わった曲が、俺達のスポットライトの代わり。


俺の大好きなELLEGARDENの曲が俺達のわくわくとグルーヴし、爆発しそう。


着込んでいたジャージを脱ぎ去りコートの中心に立てば、ギャラリーの視線が集まった。


「わー、あのいかつい人イケメン!」


「私はあっちのツーブロックの子の方がタイプかもー」


「あの可愛い女の子とか小さい男もボーラーなのか?」


様々な声が聞こえるけれど、皆それぞれがこれから始まる戦いに集中し、時に外から流れる空気を味わう。


《それぞれ、色んな想いを背負ってこの場にいる四人……一度はバスケから離れた奴等は、それでもバスケでしか心を満たせないそんな集団の、泥臭いバスケを楽しんでくれ》


その解説に、ギャラリーからの応援の声が聞こえ、ハーシーやリッコが返事の代わりに手を振った。
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