【完】籠球ロマンティック
《トラ・ザ・ビクトリーショーット!前半のダイナミックなプレイを匂わせながら、流石エリートと思わせるワンショット!これでソードマンに1点加算だ!》


勝利したソードマンに1点が入り、点差はたったの2点へ。


「……悪い、やられちまった」


「良いのよ!スゴかったわ。レン、かっこよかったわよ!」


負けて戻ってきた俺の二の腕をバシ、と軽快な音を立てて叩いたリッコは、初めて俺と1on1をした時のような輝きに満ちている。


「後半、取り返せばオールオッケー!この勝負はレンじゃなきゃ、あんな面白いのになんなかったよ」


「びゅん、びゅん」


ハーシーとマカロンも、俺とトラの1on1の動きを真似ながら、楽しそうに言ってくる。


「後半はもっとガンガン攻めましょう。レン、ハーシー、マカロン、ショータイムはこれからよ!」


リッコの言葉でコートに向かう、俺達男三人。


《スネイク・オーバドゥは前半得点の基点となったリッコを外してラブがドリブラーへ!さて、後半はどんな戦いになるのか!》


残すはたった8分。1on1では負けたけど、こっちは負けるわけにはいかない。


どうしても勝ちたい。そう思えば思うほど、青春は、あの頃よりも酷く輝き出した。
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