【完】籠球ロマンティック
後半は、5on5と同じでジャンプボールからのスタート。
マカロンとトラが並び、リューイのトスを待つ。
ふわり、と空中に舞ったボールを、身長が10センチは勝るだろうマカロンが弾き、俺の手元へ。
「さっきの1on1見てる限り、やっぱりお前はかなり巧い。けど、抜かせないよ、ここは」
ダイスケが俺につき、ドリブルする俺の次の動きを待つ。
「……じゃあ、抜かなきゃ良いんじゃね?」
「!!?」
悪いけど、俺、ひねくれ者なんでね。簡単に正攻法を使う程、まっすぐではいれない。
後半開始ほんの数秒。もう、俺の手にはボールは無く、ぽい、と軽くワンハンドで投げたショットはゴールへ向かって飛び立っている。
「なんだよ、お前、そんなんも持ってるのか、レン」
「まーね。苦手じゃないと思うよ」
スリーポイントラインから放ったワンショットは、バックボードに良い力加減でぶつかり、ゴールリングを潜った。