【完】籠球ロマンティック
これにはギャラリーも予想外だったらしく、一瞬歓声が止み、相変わらずに爆音なメロディだけがこの場を支配する。


《wonderful!ラブ・ザ・シャイニングシュート!》


イツのその解説の声に、再び歓声が復活し、ぶるり、と、興奮で肩が震えた。


「うわぁ、何ヵ月も一緒に練習してたのに、あんなの初めて見たよレン!」


「シャイニング、シャイニング」


攻守交代のタイミングで、ハーシーとマカロンがハイタッチを求めて手を伸ばす。


「これでさっきの1on1分はチャラだぜ?」


「なーに言ってんの、まだまだこれからいっぱい挽回するんでしょ?」


「どうやらコートのお外のリッコ姉さんはそのつもりらしいね」


そう答えてリッコの方を見れば、立てた親指で強く鼻を撫で付けるリッコの姿が目に写る。


「……おー、あのサイン、ハーシーパイセンに期待、ですってよ?」


「ありゃー、おっちゃん頑張らねば」


会話をしているうちにサイドからスローインが行われ、それを見届けたマカロンと俺は、リッコのサイン通りにディフェンスに走り出す。
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