【完】籠球ロマンティック
「グッジョブ……二ノ瀬葉月」


「って、おいおいマジか!レンとかマカロンさんとかDJゴジラなら分かるけど、ハーシーさん!?ウッソォ!」


「何よ、ダイスケの目は飾り物?トラ相手に果敢にディフェンスする姿、チーム内で一番偏りの無いプロ級の技術。美形じゃないけどチャーミングな顔。彼こそ一番の男よ!」


初めて体育館で出会ったときは『ボーヤ』扱いした葉月に対し、あの時の試合から美鶴は夢中になっていたのだ。


その、広範囲にハートを飛ばすような顔をした美鶴に、男三人はあんぐりと口を開く。


「世の中、わかんねぇもんだ」


トラの呟いた通り。イケメン好きな美鶴がこのような態度を取るのもそうだし、剣里がストリートチームに負けてしまうのもそう。


この世界には、そんな意外なことが沢山転がっている。だから、この居場所を手放すことは出来ないのだ。
< 302 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop