【完】籠球ロマンティック
「……っくちゅん!」
「うわ、え?何今のくしゃみ。可愛いんだけど。スッキリしねぇな」
一方、試合本番が迫るスネイク・オーバドゥ一行は、変わらず駅の高架下で練習を行っている。
「いやぁ、オッサンだから花粉症が酷くてねぇ」
じゅるじゅると音を立てて鼻を啜る葉月に、論理がポケットからティッシュを取り出し鼻に宛がう。
「はい、ちーん」
その、ワンテンポ遅い声と共に、葉月の鼻をかむ音が響き、恋夜は呆れて苦笑い。
「そういえば珍しいくリッコがまだ来てないよねぇ、春休みで若者諸君は暇でしょう?」
「あー聞いちゃう?それ聞いちゃうかなハーシーパイセン」
せっかくの休み、恋夜もバイトは無く、葉月も仕事休みで多くの時間をバスケに費やせるチャンスだというのに、律子がいないのは珍しい。
葉月の疑問に理由を知っているらいし恋夜は、べぇ、と舌を出し、渋い顔で答える。