【完】籠球ロマンティック
夜になり、オルフェの練習に合流しても、律子はどこか上の空。
「おーい、どうしたリッコ、そんな隙だらけだと乳揉みしだくぞ」
そんな律子の悩みの種である本人恋夜は、頭が良いとは到底思えないような発言で律子に声をかける。
黙ってキッと睨み付けた律子に、恋夜は少し焦った様子を見せる。
「いやいや、冗談だよ。ンなことしたらあんたばかりかイツにもタコ殴りされるわ」
「当たり前でしょ!ホントデリカシー無いんだから!」
『ふん』とそっぽを向く律子に、恋夜は小首を傾げつつ、練習着の首元を引っ張り鼻に垂れた汗を拭う。
いつもならこのような冗談をケラケラと笑い飛ばしてかわす律子が取った反応が、意外でならなかったのだ。
「ラーブゥ?誰の許可でリッコにセクハラまがいのこと言ってんだ?」
「イテテテ!頭潰れる!梨汁ならぬラブ汁ブッシャーなるからやめろ、シスコンゴジラ!」
しかし、疑問に思うのも束の間、逸人による後頭部鷲掴み攻撃により、恋夜のその疑問は飛んでしまった。