【完】籠球ロマンティック
「リッコ、あれだ、うん。……面貸せやァ」


そして、恋夜がようやく絞り出した言葉は何故か、自分に目をつけた学校の不良の先輩達の殺し文句で。


「……ふはっ!怖っ!私、シメられるみたい」


今日ずっと上の空で、話しかけられるとツンとしていた律子が、初めて笑った。


その柔らかな笑顔で、恋夜の緊張が解れつられて笑ってしまう。


「ホントだな。……あーあ、アホみてぇ。なぁリッコ、少し休憩しねぇ?俺さ、最近スゲー良いとこ見つけたんだ」


「しょうがないなぁ。イツがキレたらレンの大が長かった方向に持ってくからね?」


なんだかんだ言っても恋夜の提案に乗ってくれる律子に、恋夜はもう一度笑顔になり、一歩先を歩き出した。
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