【完】籠球ロマンティック
律子が自分のことを恋夜に話したあの日、恋夜は律子にプロポーズまがいのことを言った。


それが逆に、はっきりしないで律子を不安にしたのを、恋夜は反省した。


律子に言える、自分の中で一番の言葉。恋愛感情だけじゃなく、大切なんだと伝えられる言葉を、恋夜は頭をフル回転させ、考える。


「……リッコ、あんたにしか頼めないお願いがあるんだ。聞いて、くれる?」


そして、勇気を振り絞って出した言葉はそんな言葉だった。


いつになく真剣な色の恋夜の瞳が、美しい絶景よりもキラキラと輝き、律子は見とれてしまう。


次の言葉を告げる為に、息を小さく吸い込む姿さえ、全てが煌めいているような、そんな恋夜が愛しいと律子は思えるのだ。
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