【完】籠球ロマンティック
「何?レンの、お願い」


そんな、煌めいた恋夜の傍に、少しでも寄り添いたい思いで律子は声をかける。


律子の、周りの同級生とは違う心地良い声に、言葉を選び固くなった恋夜の心がじわじわと柔らかく、外は寒いのに温かくなって行く。


そうやって、初めて話したあの日から、恋夜の心にじわじわと入ってきて、ちっとも邪魔にならない、寧ろいなくてはならない存在の律子。


「じゃあ、俺のお願いな。……リッコ、これから先のあんたの時間、俺に『束縛』させてくれないか?」


「えっと、レンって異性縛り付けたいタイプ?」


「バッカ……そうじゃなくてよ!何だ、あれだよ!あのな?」


律子の言葉のひとつひとつに過敏に反応する恋夜の姿に、律子もまた、心が温かな何かで抱き締められるよう。
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