【完】籠球ロマンティック
そうして美鶴は説明を挟みながら、全部で六つのチームにマーキングを施した。


「ふーん、成る程。ここのチームには知り合いがいる、このチームにも。スゴいね。良く調べたね。流石エリート集団のマネージャーだ」


「ホントスゲェや。美鶴、あんたって思ってた以上の女なんだな」


イツと俺は、そんな美鶴に素直に驚き両サイドから彼女を見ると、みるみる真っ赤になっていく。


「両サイドからグッジョ……いや、ダメよ。今、私のグッジョブは葉月さんだけ!レン君、葉月さんはどこ?」


ぽっぽと頬を染めた美鶴は、首をぶんぶん左右に振るって物凄い剣幕で俺に尋ねる。


「え?ハーシーなら、リッコとなんか話してる、けど」


指差した先、まだ円陣のことで白熱してる二人がいて、美鶴は切れ長の目でキッ、と睨み付けると一目散に走って行ってしまった。


「へぇ、何、あの子ハーシーに惚れちゃったんだ?イケメン好きそうな感じなのにね」


「みたい。おかげで、色々情報聞けたから有り難いけどな」


この際また女の言い合いが始まったのは聞かないことにして、俺はマーキングされたトーナメント表に再び視線を戻した。
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