【完】籠球ロマンティック
「あのね、こんなの、どうかしら……」


リッコを中心に輪になった俺達は、リッコから提案された円陣に、堪らず笑い出す。


「ほら、笑ったでしょ?」


「えー、何よ、良いじゃない!このチョイダサ感が良いかなって思ったのにぃ」


ずっと話し合っていて、これを知っていたハーシーは苦笑いしながらリッコに苦言を漏らす。


「いや、悪くねぇよ。カッコいく無いのが、俺等らしい気がするわ。な?マカ……ロン?」


自分の意見に同意を求めようとマカロンの方を見ると、これまで、出会ってから見たことのないマカロンが、そこにはいて。


「あんた……笑ってる?」


「ふっ……ひっひっ!」


決して大声じゃないけど、詰まりそうな喉から必死に音を出し、見たことないくらいに瞼は弧を描き、口元を手で覆い震えるマカロンは、誰が見ても笑っていた。


「なんか……試合前なのに俺泣きそう」


「泣かないでよハーシーったら。気持ちは分かるわ、私も嬉しいけど……ほら、やるわよ!」


リッコに促され円陣を組む俺達は、身長も、体格も、生き方も全てがちぐはぐな、そんな集団。
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