【完】籠球ロマンティック
スピードを緩めることなく突っ込まれちゃ、どんな手練れだって一瞬怯む。


ぶつかるほんの数センチのところで真横に体を飛ばした俺は、その体勢でボールを高く、ゴールへと投げる。


そこで、やっと出番が来たマカロンは、動けないようにマークしていた相手を置き去りにし、その長身で高く飛び込み、ボールを引っ付かんで両手でゴールへと押し込めた。


着地しても、マカロンが揺らしたゴールは未だにギシギシ、と揺れたまま。


「ファイヤー」


そんなプレイをやってのけたくせに、柔らかく、まったりとした口調で腕を掲げたマカロンに、ついに爆発的な歓声がこだまする。


ギャラリーを味方につけた俺達は、最早残り時間なんか怖くなかった。
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