【完】籠球ロマンティック



「まずはひとつ突破、良くやった。次まで時間あるからって食い過ぎるなよ」


「ふぁーい」


「お前だマカロンこら。ハムスターみたいな頬っぺたしやがってコノヤロー」


二回戦、両ブロック全ての試合が終わり、休憩が挟まる俺達は、昼食を外に広げて空いた腹を満たしている。


イツが保護者のように話すそばから小動物のようにモグモグと食べているマカロンに、残った三人でカラカラと笑っている。


「もうさ、マイペース貫くマカロンが頼もしくてしょうがないよ」


「ンだよ、自分だって試合前は緊張感なんかゼロでリッコと話してたくせに」


『そうだねぇ』なんてどこか他人事のように相槌を打ったハーシーが、水筒に手を伸ばす。


が、しかし、水筒をしっかり掴むことが出来ず、ハーシーの指先に触れた水筒はコロコロ、とリッコの足元に転がっていく。
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