【完】籠球ロマンティック
「へぇ、じゃあ、あの高校生チームのロリ巨乳女子、イツさんの妹なんだ。巧いわけだ。おまけに可愛いですし」


「そりゃそうだろ?俺の愛しの妹だぞ?巧いのも可愛いのも言うまでもない」


鼻息荒くシスコンっぷりを発揮する気持ち悪いイツに、ここから見ても分かるくらいに相手も苦笑してる。


「イツさんの妹でも、遠慮はしません。勝たせてもらいますよ?……それに、俺、あのチームに、どうしてもやりたい奴がいましてね」


ふふ、と楽しそうに笑った奴は、イツから視線を外し、まっすぐ俺へ向かってその視線を突き刺した。


「ナンバーゼロ……『love boy』サムシティでイツさんとパフォーマンス勝負してるの観た時から、君と対峙したかったよ」


不敵に笑う奴は、妙に色っぽい垂れ目の瞳をぎらつかせる。


「俺はムネヒロ。『ディアボロ・ボーイズ』のドリブラー。次の試合、楽しみにしてるよ。じゃあイツさん、また後で」


低く、耳から魅了するような艶やかな声を響かせた奴……ムネヒロは、ひらひら手を振ってその場を去っていった。
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