【完】籠球ロマンティック
それは、ただでさえよろめいたリッコには酷なもので。


「アンクルブレイク!?なんっつうエグい動きすんだ!」


ディフェンス側の足を低い体勢で抜くことで時に負傷させるくらいに鋭いムーブ。


さらりとやってのけたムネヒロは、リッコのカバーに入ったマカロンがディフェンスにつく前に、ボールに横回転をかけて投げる。


ブーメランのように曲線を描きながら進んだボールを、相手のリバウンターがそのまま掴み豪快なダンクで得点に繋げる。


まるで、アメリカのバスケを観ているようなそんな光景に、言葉が出ない。


「こりゃ、ゴリッゴリのストリートボーラーだな、マジで」


「おう。『ディアボロ・ボーイズ』はガチモンだぜ。止めんのは至難の技ってもんだ」


止めんの『は』ねぇ……。


「じゃあ、止めなきゃ良くね?その代わり、俺達も止められない。そうすりゃイーブンでしょ」


「ま、そういうこと。分かってるじゃん、ラブ」


言葉にすれば簡単だけど、実際止められずに攻撃しまくるのはそれこそ骨が折れる。
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