【完】籠球ロマンティック



前半八分を、スターティングメンバーのまま戦い、点差は1点。


序盤ハーシーが取った3ポイントが効いたが、上出来とは言えない点差だ。


ハナっから飛ばしまくったせいかこちらサイドは既に体力をだいぶん使いきっていた。


一番の体力保持者であるハーシーも、飲料水をがぶ飲みして、肩で息をしている。


「後半、このまま点の取り合いをしてもそのうち止められちまうな。策を考えなきゃ」


指を顎に添えて考えるポーズを取ったイツの正論に、俺も腕組みして考える。


「……リッコ」


疲労感と変な静けさを破ったのは、黒のハイソックスを整えていたマカロン。


マカロンは座り込んでいるリッコの足首に、じ、と静かな視線を送る。
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