【完】籠球ロマンティック
「どうしたの?マカロ……っ!」


その視線に言葉を発したリッコに、言葉を返すでなく、変わりにその視線の先の括れた足首を掴んだマカロン。


序盤、ムネヒロがリッコに仕掛けたムーブがリッコの足首を蝕んでいたのだ。


男でさえ負傷しかねない程に抜群のキレがあったあのムーブ。


俺達よりもずっと細く頼り無い体のリッコには、相当堪えたプレイだっただろう。


「戦術、うんぬん、の、前に、勝てる試合、勝て、ない」


いつもまっすぐで、澄んでいるそのマカロンの瞳は、リッコを捕らえて離さない。


「……そうね。ごめんなさい。怪我人がコートにいたら、勝てる試合も勝てないわね」


そんなマカロンに、リッコは悔しげに顔を歪めた。
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