【完】籠球ロマンティック
「頼むぜリッコ!お前はコート抜けてもやることいっぱいあるんだから。このふにゃチンズだけじゃ勝てないっしょ?」


「何だとイツコノヤロー、一番歳上のあんたが一番ふにゃチンだろうが!」


イツの言葉に変わりなく、いつも通りにツッコミを入れていると、リッコも楽しそうに笑い出す。


「そうね、コートの外でも私は戦えるわ!……後半、もっと暴れさせてあげる!」


「おーおー、そうこなきゃ。後半は得点だけじゃなくて、向こうの攻撃を止めてやろうぜ」


俺は、リッコの戦略を信じて、自分の技量を信じて、楽しくプレイしてやる。


「勝ってふにゃチンズからボッキーズに変わろうよ。ねー、レン、マカロン」


「ハーシー、げ、ひん」


男三人、気合い十分に立ち上がりコート内へ走っていく。


「お、やっと来たねぇlove boy!君とマッチアップするの、楽しみだったよ」


先に入っていた『ディアボロ・ボーイズ』のムネヒロにニヤリと笑われ、俺もつられてニヤリ。


「俺はあんたの技術に捕まるのは後免だけどね」


緊迫の後半戦が、今、鼓動の加速と共に始まろうとしていた。
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