【完】籠球ロマンティック
『ディアボロ・ボーイズ』オフェンスターン。


ムネヒロが抜いてくるか、それともパスを出して来るか。


もし、俺がこの男程に実力を持っていたら、周りを見渡せる余裕があったら、多分、抜いたうえでパス、だと思う。


前に行かせないように、腹の辺りに手を添えて近い位置でディフェンスに入りながら考える。


ハーシーには体格の良い選手がスクリーンをかけていて、出てくるのを邪魔されている。


マカロンもまた、スクリーンをかけられているようだが、あれなら上手く行けば抜けて来られるかもしれない。


こういう頭を使うことは……やっぱり俺には無理だ。リッコ、ヘルプ。


そんな思いでリッコを見ると、リッコが俺の視線に気付いて、右サイドの髪の毛を手櫛で持ち上げた。
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