【完】籠球ロマンティック



ボールは審判の手からムネヒロへと渡り、俺達にとっての最後の作戦が始まる。


ボールを操り戦術を巡らせているムネヒロに、べったりとマークに張り付きながら俺も視界から見える景色を目一杯に見る。


「ヘイlove boy!俺だけを見てないで良いのかい?逃げちまうぞ?」


「あっ!コンノォ……!俺には男捕まえとく趣味はねぇけど逃がさん!」


一瞬の隙を突いて抜こうとするムネヒロに向けて、俺は強引に腕を伸ばしそれを阻止する。


「ピッ!ディフェンス!」


その強引なディフェンスは、ファウルを取られて試合は中断されてしまう。


右手を挙げファウルを受け入れながら、ずり下がったハーフパンツを整えて、チラリと横目で残り時間を確認。


残り時間は、31秒。
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