【完】籠球ロマンティック
「……絶対勝つわよ。勝つしかないの。勝たなきゃ楽しくないの。勝ったら何でも言うこと聞くから、勝ちましょう!」


トライアウト予選の時よりも緊張してるのか、リッコは捲し立てるように『勝つ』という言葉を並べる。


だったら、その緊張、取ってやろうじゃん?あの時背中を叩いてくれたようにね。


「……じゃあさ、勝ったら、しこたま胸揉ましてくれんの?」


「あはは、それイーねレン!じゃあ、俺それ出歯亀する権利貰っちゃおーっと」


「俺、も。でば、がめっ!」


こんな時でもバカみたいなことが言えて、バカみたいに笑うことが出来る。いつの間にか、俺の日常になったこの世界は、煌めき、いつでも温かい。
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