【完】籠球ロマンティック
そんな葉月は冬のインターハイと言われているウィンターカップ目前、金石に想いを告げることを決めていた。


前々日、部活の後に金石とのデートにこぎつけた葉月は、想いを告げることで頭がいっぱいで、まさか、これが最初で最後のデートになると思っていない、滑稽な道化師。


もし、この時想いを告げていれば未来は変わったのだろうか。間もなく八年経つ今でも何度も何度も考えてしまう。


起こってしまったことは、もう取り返しのつかないことなのに。


「うぉー、金石、見て。エアジョーダンのパーカーだって。かっけぇ」


「えー、ただの古着じゃん」


「チェ、何だよ。女は分からないかね、この良さが」


こんなとりとめのない会話が、彼女が笑う日常が今その大切な人を思い出す大切な宝物になるとは、まだ幼かった葉月には知るよしもない出来事。
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