【完】籠球ロマンティック
このパフォーマンスに勝つためには……さて、どうしようか。


「さてどう来る?『love boy』?」


イケメンゴジラはやはりそのベビーフェイスで、爽やかに笑ってみせる。


……ってちょっと待った。『love boy』だと?


『恋する夜』と書いて『恋夜』という俺の名前を分かったうえでないと、出て来ないあだ名だろ、それ。


「おいイケメンゴジラ、あんた俺のこと知って……?」


「何やってるの?時間無くなっちゃうよ。そしたら俺の勝ちかな?」


「チッ……!」


このイケメンゴジラに聞きたいことが出来てしまったが、とりあえず、勝負に負けるのは絶対嫌だ。


舌打ちをしたタイミングで曲が変わった。これは、バイト先で聞き覚えのあるアップテンポな曲だ。


「へっ!丁度良い!……おいイケメンゴジラ!ボール寄越せ!」


右手でボールを保持しつつ、左手で猫でも呼ぶようにチッチッチ、とボールを催促すると、訝しげにイケメンゴジラがボールを投げる。
< 77 / 388 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop