【完】籠球ロマンティック
「その顔だと……知ってる?」


「おう。勿論、デッケェ花いっぱい咲かすつもりだけど?どーでしょ?パイセン達は」


ニッと笑って振り返れば、リッコも、ハーシーも、マカロンもその瞳に爛々とそれぞれに想いを秘めている。


「何も知らない5on5専門っ子だって聞いてたけど、今日のあれ見て今の顔。うん、いーねぇ。思ってたのと違って、かなり良いじゃん」


ふふ、と笑うオルフェのメンツは、俺達より少し上を行く人達で。


この人達とこれから練習出来るなんて、俺は、どうやら有り難いことに環境に恵まれているらしい。


「……ところで、リッコと変なことになって無いだろうねラブたん?」


「おい変なあだ名ヤメロ」


「そーよイツは黙ってて!私とレンはね、そういうヤラシィ垣根は越えてるんだから。レンの超絶技巧に私が一方的に腰砕けなんだから!」


相当兄貴のイツが鬱陶しいのか、ベーっと舌を出して俺の腕に絡み付き、背中に隠れてしまう。


その腕に当たる柔らかいGカップと誤解を招く発言、目の前のイツの嫉妬に燃えた熱視線に、俺は思う。


あー……広がる夢の前に、俺はこの皇兄妹に心労で滅ぼされるんじゃないかって、な。
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