【完】籠球ロマンティック
鏡を見なくても自身で分かる情けない佳那汰の顔を一番近くで見た恋夜は、きゅうっと丸い目を細め、思ったより親しみやすい、それでいて言い表し難い儚げな顔に綻んだ。
その顔に、佳那汰は少し胸の窮屈感と、仄かに懐かしさを覚える。
「はは!ンだよ、その顔!折角の美形がもったいねーの」
「なんだよそっちこそ、見た目派手だけど思ったよりも普通じゃん」
それが佳那汰と恋夜との、初めての会話だった。
しかし、出会いはこれが初めてではない。
そのまま教室に共に向かう中、佳那汰はふと、二月の出来事を思い出す。
「ねー、香椎ってさ、どこ中出身?」
「お?我妻北中だけど。こっからじゃ遠いからどこにあるかわかんねーだろ?」
やっぱり……と朧気な記憶が確信へと変わる。
恋夜のあの親しみやすく、言い表し難い儚げな笑顔を、佳那汰は数ヵ月前に目の当たりにしたことがあったのだ。
見た目はかなり変わっているが、間違いない。『香椎恋夜』は『キラキラ小僧』だ。
その顔に、佳那汰は少し胸の窮屈感と、仄かに懐かしさを覚える。
「はは!ンだよ、その顔!折角の美形がもったいねーの」
「なんだよそっちこそ、見た目派手だけど思ったよりも普通じゃん」
それが佳那汰と恋夜との、初めての会話だった。
しかし、出会いはこれが初めてではない。
そのまま教室に共に向かう中、佳那汰はふと、二月の出来事を思い出す。
「ねー、香椎ってさ、どこ中出身?」
「お?我妻北中だけど。こっからじゃ遠いからどこにあるかわかんねーだろ?」
やっぱり……と朧気な記憶が確信へと変わる。
恋夜のあの親しみやすく、言い表し難い儚げな笑顔を、佳那汰は数ヵ月前に目の当たりにしたことがあったのだ。
見た目はかなり変わっているが、間違いない。『香椎恋夜』は『キラキラ小僧』だ。