チョコホリック【短編】
いや、いつも笑顔っていうのが変なんだから、まともに戻っただけかもしれないけど。
「芹沢さんに話があって、待ってたんだ」
「……話?」
いったい、何?
「ここじゃあれだから、ついてきて」
そう言うと、背を向けて渡り廊下へと進んだ。
渡り廊下に差し掛かるとすぐに、道から外れる。
ここは1階だから、校舎と校舎の間を通ることができる。
道はコンクリートで舗装されていて、上履きのままでついていく。
この先には中庭があって、丸く形どられた花壇とその周りにはベンチが3つある。
そこで話をするんだろうか。
考えている間に、視界は開け、中庭にたどり着いた。
市橋くんはまっすぐベンチに向かい、左に腰掛ける。
座れとばかりに右をあけられているので、あたしもそこに座った。
ここには昼休みに来ることが多い。
あたしも友達も食堂のご飯よりもお弁当を持参することが多く、晴れた日にはこの中庭でお弁当を広げるんだ。