【短】可愛い弟は実は可愛くありませんでした!?
美野里side
私はいつもと違う道を歩いていた。
最近見つけた川原。
あんまり人が通らないから、今の私にはぴったりだった。
「・・・あ。美咲先輩っ!!」
私は少し前にいる先輩に声をかけた。
先輩は一瞬強張ったが、すぐにいつもの綺麗な笑みを向けてくれた。
「おはようございます!・・・大丈夫ですか?」
美咲先輩の瞳には涙が滲んでいた。
「うん、大丈夫。それより、美野里ちゃんのほうが大丈夫じゃなさそうだけど?」
「・・・え?そう見えますか??」
「見えるっていうか・・・。ほら。」
美咲先輩はハンカチを出して私の頬にあてた。
私・・泣いてるの?
美咲先輩は黙って私を優しく抱きしめてくれた。
そのぬくもりに私は涙が止まらなかった。