イジワル上司に恋をして
「おれに言ってね?」
*
汗臭くないかな。髪型と化粧も、おかしくない?
待ち合わせ場所に近づくにつれ、通り過ぎるガラスや鏡に過る自分の姿を何度も気にする。
ゆっくりと身仕度する時間がなかった……。
それは、アイツがあのタイミングで話し掛けてきたからだ、絶対。
黒川のことを思い出しながら黙々と歩く。いつしか頭の中が、黒川への不満でいっぱいになっていたわたしは、目の前に西嶋さんが立っていることに気付くのが遅れた。
「鈴原さん?」
「はいっ!えっ、あ!に、西嶋さんっ⁉︎」
ピシッと“気をつけ”のポーズになり、真正面に居た西嶋さんにあわあわと返事を返す。
「下向いてたから、人違いかと思ったー。よかった」
「あ、えーと、すみません……」
わぁ!ホンモノの西嶋さんだ!
大学やショップ以外で、二人でこうして会うなんてなんだか変な感じ。
なんかすごい緊張してきた!
カチコチに固まったわたしは、なんにもうまく話を振ることができなくて。
それを知ってか知らずか、彼の方からさりげなく話し掛けてくれる。
「急にごめんね!でも都合よくて良かった」
「あ、いえ!こちらこそ!連絡もしないまま……」
そうだよ。わたし、仕事とはいえドタキャンしてから、一度もメールとかしてなくて……。
バツが悪い気持ちから、つい目を逸らすように俯いた。
「大丈夫だよ。それよりお腹空かない? なにが好き?」
「え!えーと、えぇと……」
ちょっと待って!こういうときってなんて答えたらいいのかな?
今日はすごく疲れて、お昼もあんまり食べられなかったから、お腹は空いてるんだけど。でも急に重いものっていうのも胃が驚きそう。
いや、それよりも。初めて食事に行く男の人相手だと、どういう答えが理想的なんだろう?
ここは具体的にこっちが答えていくべき?それとも相手に委ねちゃう?
汗臭くないかな。髪型と化粧も、おかしくない?
待ち合わせ場所に近づくにつれ、通り過ぎるガラスや鏡に過る自分の姿を何度も気にする。
ゆっくりと身仕度する時間がなかった……。
それは、アイツがあのタイミングで話し掛けてきたからだ、絶対。
黒川のことを思い出しながら黙々と歩く。いつしか頭の中が、黒川への不満でいっぱいになっていたわたしは、目の前に西嶋さんが立っていることに気付くのが遅れた。
「鈴原さん?」
「はいっ!えっ、あ!に、西嶋さんっ⁉︎」
ピシッと“気をつけ”のポーズになり、真正面に居た西嶋さんにあわあわと返事を返す。
「下向いてたから、人違いかと思ったー。よかった」
「あ、えーと、すみません……」
わぁ!ホンモノの西嶋さんだ!
大学やショップ以外で、二人でこうして会うなんてなんだか変な感じ。
なんかすごい緊張してきた!
カチコチに固まったわたしは、なんにもうまく話を振ることができなくて。
それを知ってか知らずか、彼の方からさりげなく話し掛けてくれる。
「急にごめんね!でも都合よくて良かった」
「あ、いえ!こちらこそ!連絡もしないまま……」
そうだよ。わたし、仕事とはいえドタキャンしてから、一度もメールとかしてなくて……。
バツが悪い気持ちから、つい目を逸らすように俯いた。
「大丈夫だよ。それよりお腹空かない? なにが好き?」
「え!えーと、えぇと……」
ちょっと待って!こういうときってなんて答えたらいいのかな?
今日はすごく疲れて、お昼もあんまり食べられなかったから、お腹は空いてるんだけど。でも急に重いものっていうのも胃が驚きそう。
いや、それよりも。初めて食事に行く男の人相手だと、どういう答えが理想的なんだろう?
ここは具体的にこっちが答えていくべき?それとも相手に委ねちゃう?