イジワル上司に恋をして
「ほっとけよ」
*
「……はぁー」
久々の休日だと言うのに。
天気も良くて、お出掛け日和だと言うのに。
「はぁ」と、再び何度目なのかももうわからない溜め息を吐いて、わたしはひとり、アパートにいた。
連日の疲れと、寝る時間が遅めだったのもあって、目が覚めたのは午前10時過ぎ。それでも、まだ午前なだけいいか、なんて思いながら。
わたしはホットミルクを淹れて、丸いラグに腰を降ろす。
窓の外で、ゆっくりと流れる雲を見つめ、カップで手を温めながらボーッとする。
決して寒くはない季節なのに、ホットミルク。
真夏を覗き、大抵朝は温かい飲み物を欲するわたし。
けど、ホットミルクの役割はそれだけじゃなくて。
気持ちを落ち着かせたかったり、ホッとしたいときに飲みたくなるもの。
コクッと喉を鳴らして、人肌になったミルクで胃を温める。
いや。〝心を〟……かも。
『わたし……ちょっとまだ、わからない……です』
動揺していた結果、自分で口にしていた言葉はそれだった。
そして、それを受けた西嶋さんは、少し固い笑顔でこう言った。
『そう、だよね。急だよね、うん。……じゃあ、少し考えてみて』
だけど、それがわたしの本心で、素直な気持ちだったと思うから。
「……後悔は、してない……はず」
ひとりきりの部屋で、ぽつりと漏らす。
「……はぁー」
久々の休日だと言うのに。
天気も良くて、お出掛け日和だと言うのに。
「はぁ」と、再び何度目なのかももうわからない溜め息を吐いて、わたしはひとり、アパートにいた。
連日の疲れと、寝る時間が遅めだったのもあって、目が覚めたのは午前10時過ぎ。それでも、まだ午前なだけいいか、なんて思いながら。
わたしはホットミルクを淹れて、丸いラグに腰を降ろす。
窓の外で、ゆっくりと流れる雲を見つめ、カップで手を温めながらボーッとする。
決して寒くはない季節なのに、ホットミルク。
真夏を覗き、大抵朝は温かい飲み物を欲するわたし。
けど、ホットミルクの役割はそれだけじゃなくて。
気持ちを落ち着かせたかったり、ホッとしたいときに飲みたくなるもの。
コクッと喉を鳴らして、人肌になったミルクで胃を温める。
いや。〝心を〟……かも。
『わたし……ちょっとまだ、わからない……です』
動揺していた結果、自分で口にしていた言葉はそれだった。
そして、それを受けた西嶋さんは、少し固い笑顔でこう言った。
『そう、だよね。急だよね、うん。……じゃあ、少し考えてみて』
だけど、それがわたしの本心で、素直な気持ちだったと思うから。
「……後悔は、してない……はず」
ひとりきりの部屋で、ぽつりと漏らす。