イジワル上司に恋をして
*
お昼休憩後になると、朝にも増して、わたしは落ち着かなくなっていた。
その理由は、ひとつ。
……夕方頃って、一体何時くらいのことなのかな。
今朝のメールが気になって、そわそわしてしまう。昼休みには、なにもメールは入っていなかった。きっと、仕事が忙しいんだ。
ということは、もしかしたら立ち寄らないかもしれないよね。必ず来るってことではなかったし。
それならそれで、その方がいい気もするんだけどなぁ……。こんな緊張感続いたら、体がもたない……。
「いつも以上にヘンなツラしてんな」
レジでボーッとしていたら、正面から声が飛んできた。
ハッと顔を上げれば、それは当然ヤツがいて。
勘の鋭いこの男に、わたしのプライバシーを侵害されないように気をつけなければ!
……いや、勘の鋭いっていうか、わたしがわかりやすいだけなのか……。
どっちにしても、これ以上わたしのことを知られないようにしなければ……! じゃなきゃ、いつまで経ってもコイツに弄られ続けることになりそうだ!
「……あいにくですけど、これは生まれつきの顔ですので!」
「へー。随分、昔から〝カワイイ〟顔で」
「それはどうもありがとうございますー」
嫌味にも負けず、つらっと言い返した瞬間、なんだかちょっとスカッとした。
ちょっと慣れてきたのかな? わたし。少しくらい言い返さないと、ストレス溜まって体に悪いしね! このくらい許容範囲!
心の中で、『うんうん』と自分の思うことに肯定すると、ヤツはまだわたしの前にいた。
「でも、もう少し〝大人っぽく〟てもいい気もするけど? 23らしいし」
痛いところをついてきやがって……!
確かに、それは自分でもことあるごとに思ってることだ、とうっかりわたしは俯いた。
同年代を見れば、みんな女性らしいし。由美なんて、本当に同い歳か! って突っ込みたくなるようなフェロモン持ってるし。
下手したら、イマドキの大学生……いや、高校生にも人によっては負けるかも……。
なんだ。なにがいけないんだ。スニーカーとか履いちゃだめなのか。
ジーンズばっかりじゃ、女子力上がんないのか……。
綺麗なパンプス履いて、ふんわりとしたスカートを靡かせて…………あ。
まさに、昨日のあの人じゃん。
お昼休憩後になると、朝にも増して、わたしは落ち着かなくなっていた。
その理由は、ひとつ。
……夕方頃って、一体何時くらいのことなのかな。
今朝のメールが気になって、そわそわしてしまう。昼休みには、なにもメールは入っていなかった。きっと、仕事が忙しいんだ。
ということは、もしかしたら立ち寄らないかもしれないよね。必ず来るってことではなかったし。
それならそれで、その方がいい気もするんだけどなぁ……。こんな緊張感続いたら、体がもたない……。
「いつも以上にヘンなツラしてんな」
レジでボーッとしていたら、正面から声が飛んできた。
ハッと顔を上げれば、それは当然ヤツがいて。
勘の鋭いこの男に、わたしのプライバシーを侵害されないように気をつけなければ!
……いや、勘の鋭いっていうか、わたしがわかりやすいだけなのか……。
どっちにしても、これ以上わたしのことを知られないようにしなければ……! じゃなきゃ、いつまで経ってもコイツに弄られ続けることになりそうだ!
「……あいにくですけど、これは生まれつきの顔ですので!」
「へー。随分、昔から〝カワイイ〟顔で」
「それはどうもありがとうございますー」
嫌味にも負けず、つらっと言い返した瞬間、なんだかちょっとスカッとした。
ちょっと慣れてきたのかな? わたし。少しくらい言い返さないと、ストレス溜まって体に悪いしね! このくらい許容範囲!
心の中で、『うんうん』と自分の思うことに肯定すると、ヤツはまだわたしの前にいた。
「でも、もう少し〝大人っぽく〟てもいい気もするけど? 23らしいし」
痛いところをついてきやがって……!
確かに、それは自分でもことあるごとに思ってることだ、とうっかりわたしは俯いた。
同年代を見れば、みんな女性らしいし。由美なんて、本当に同い歳か! って突っ込みたくなるようなフェロモン持ってるし。
下手したら、イマドキの大学生……いや、高校生にも人によっては負けるかも……。
なんだ。なにがいけないんだ。スニーカーとか履いちゃだめなのか。
ジーンズばっかりじゃ、女子力上がんないのか……。
綺麗なパンプス履いて、ふんわりとしたスカートを靡かせて…………あ。
まさに、昨日のあの人じゃん。