イジワル上司に恋をして
*
――ああ。仕事に行きたくない。
こんなふうに思ったのなんて、今の職場で初めてかもしんない。
「……わたしの平穏な日々が」
3度目の寝がえりのあとに、ひとりぼやいた。
昨日の夜。もちろん、二次会はパス。
その帰宅途中から、眠る直前まで、『あれは夢だ。アイツは幻だ。きっと、妄想し過ぎた脳が生み出した幻影だ』と、言い聞かせていた。
けど、どうなんだろう。
一夜明けた今ですら、掴まれた手の感触と。その指に触れられた唇が、拭い去ったはずなのに、まだあの感覚が残ってる。
――ああ。仕事に行きたくない。
こんなふうに思ったのなんて、今の職場で初めてかもしんない。
「……わたしの平穏な日々が」
3度目の寝がえりのあとに、ひとりぼやいた。
昨日の夜。もちろん、二次会はパス。
その帰宅途中から、眠る直前まで、『あれは夢だ。アイツは幻だ。きっと、妄想し過ぎた脳が生み出した幻影だ』と、言い聞かせていた。
けど、どうなんだろう。
一夜明けた今ですら、掴まれた手の感触と。その指に触れられた唇が、拭い去ったはずなのに、まだあの感覚が残ってる。