イジワル上司に恋をして
*
ゴールデンウィーク初日。
婚礼も入ってるおかげで、黒川のヤツとは朝以来顔を合わせてない。
ようやく終わりが見えてきた午後7時。
幸い、忙しそうなブライダルとは違って、ショップは平和。
しかも、シフトは一人だから、ドリンクのヘルプも今日はなし。ただ、レジに立っているだけでいいのだけど……。
……寒い。薬切れて熱が上がってきたのかも……。頭もボーッとするし。
時計を見て、昼過ぎに飲んだ薬が切れる時間だと気付くと、さらに具合の悪さが助長される。
どうしよ。薬、飲もうか。
だけど、薬効いてくる頃には仕事終わるような時間になるだろうし。
その為にここ抜けるって、隣に伝えるのも……。
そうしてぐるぐると同じことを繰り返し考えていると、閉店時間間際までになっていた。
よし。このままお客さん、こないで……!
不謹慎な願いを胸に、ひたすら時計と向き合う。
いよいよ閉店時間をまわったときに、安堵の息を漏らし、レジ金チェックに取り掛かった。
コンコン、と、レジの横のガラスから音が聞こえて顔を上げる。
商品棚の隙間から顔を覗かせてるのは西嶋さん。
驚いた目を向けると、マスクを指で指し示して『大丈夫?』と言っているようだった。
慌ててわたしは、こくこくと頷いて出入り口へと急ぐ。
「び、びっくりしました……どうして?」
「今日、休みだから。昨日の電話の様子が気になって……具合悪かったんだ?」
「あ、いえ。大丈夫です……明日は休みですし」
ゴールデンウィーク初日。
婚礼も入ってるおかげで、黒川のヤツとは朝以来顔を合わせてない。
ようやく終わりが見えてきた午後7時。
幸い、忙しそうなブライダルとは違って、ショップは平和。
しかも、シフトは一人だから、ドリンクのヘルプも今日はなし。ただ、レジに立っているだけでいいのだけど……。
……寒い。薬切れて熱が上がってきたのかも……。頭もボーッとするし。
時計を見て、昼過ぎに飲んだ薬が切れる時間だと気付くと、さらに具合の悪さが助長される。
どうしよ。薬、飲もうか。
だけど、薬効いてくる頃には仕事終わるような時間になるだろうし。
その為にここ抜けるって、隣に伝えるのも……。
そうしてぐるぐると同じことを繰り返し考えていると、閉店時間間際までになっていた。
よし。このままお客さん、こないで……!
不謹慎な願いを胸に、ひたすら時計と向き合う。
いよいよ閉店時間をまわったときに、安堵の息を漏らし、レジ金チェックに取り掛かった。
コンコン、と、レジの横のガラスから音が聞こえて顔を上げる。
商品棚の隙間から顔を覗かせてるのは西嶋さん。
驚いた目を向けると、マスクを指で指し示して『大丈夫?』と言っているようだった。
慌ててわたしは、こくこくと頷いて出入り口へと急ぐ。
「び、びっくりしました……どうして?」
「今日、休みだから。昨日の電話の様子が気になって……具合悪かったんだ?」
「あ、いえ。大丈夫です……明日は休みですし」