イジワル上司に恋をして
*
「あっ。なの花! こっち!」
一軒の居酒屋に入るとすぐに、席を立って手を振る由美を見つける。
「ごめん。待った?」
「いや。わたしも今来たとこだから大丈夫」
「そっか、あ。とりあえず生ふたつ、お願いします」
おしぼりを持ってきた店員さんに、わたしはオーダーするとすぐに由美の正面に腰を下ろした。
「最近変わりないの? 色々と」
ゆるいパーマの黒髪を、コンパクトミラーで整えながら由美が言う毎回恒例の文句。
「なーんにも変わんないよ。毎日仕事行って、帰って、の、繰り返し」
かくいうわたしも、毎回同じ返事をしてる気がするけど。
そして大体この会話が終わるころに、一杯目の飲み物が来るんだ。
テーブルに置かれた、冷やされたジョッキを握ると、どちらからともなくそれを持ち上げて同時に言う。
「おつかれ」
「おつかれ」
コン、とジョッキをぶつけると、そのままお互いに喉を鳴らして豪快に飲み始めた。
「あっ。なの花! こっち!」
一軒の居酒屋に入るとすぐに、席を立って手を振る由美を見つける。
「ごめん。待った?」
「いや。わたしも今来たとこだから大丈夫」
「そっか、あ。とりあえず生ふたつ、お願いします」
おしぼりを持ってきた店員さんに、わたしはオーダーするとすぐに由美の正面に腰を下ろした。
「最近変わりないの? 色々と」
ゆるいパーマの黒髪を、コンパクトミラーで整えながら由美が言う毎回恒例の文句。
「なーんにも変わんないよ。毎日仕事行って、帰って、の、繰り返し」
かくいうわたしも、毎回同じ返事をしてる気がするけど。
そして大体この会話が終わるころに、一杯目の飲み物が来るんだ。
テーブルに置かれた、冷やされたジョッキを握ると、どちらからともなくそれを持ち上げて同時に言う。
「おつかれ」
「おつかれ」
コン、とジョッキをぶつけると、そのままお互いに喉を鳴らして豪快に飲み始めた。