イジワル上司に恋をして
*
「なっちゃん。お疲れさま」
ショップを閉めた直後、香耶さんがわざわざわたしの元に来て声を掛けてくれた。
「あ、お疲れさまです」
「……無事に婚礼終われてホッとした。なっちゃんのおかげ」
「えっ。いえ! わたしそんな大層なことは……」
残業中も、全部、黒川の指示通りに動いてただけだし。
綺麗なお辞儀で改めてお礼を言われるほどのことなんて、してないよ!
「でも、びっくりしたぁ。今日黒川くんを見つけたら、横になっちゃんが立ってるんだもの」
「あー……すみません。ちょっと……黒川さんに用事があって……」
『ワケありの婚礼が気になってて』なんて言っちゃいけない気がする……。
やましい気持ち……というのかどうかわからないけど、咄嗟に余計なことを考えたわたしはつい、ごまかして返事してしまう。
「あ。そうそう! 黒川くんから聞いたよ? さっき!」
「へ? な、なにをですか……」
もしかして、式場にわたしがいた理由?!
だとしたら、今わたしがウソ言ったこと、もうバレてんじゃん!!
あわあわと動揺していると、香耶さんはにっこり笑顔で上品に手を合わせて言った。
「なっちゃん。お疲れさま」
ショップを閉めた直後、香耶さんがわざわざわたしの元に来て声を掛けてくれた。
「あ、お疲れさまです」
「……無事に婚礼終われてホッとした。なっちゃんのおかげ」
「えっ。いえ! わたしそんな大層なことは……」
残業中も、全部、黒川の指示通りに動いてただけだし。
綺麗なお辞儀で改めてお礼を言われるほどのことなんて、してないよ!
「でも、びっくりしたぁ。今日黒川くんを見つけたら、横になっちゃんが立ってるんだもの」
「あー……すみません。ちょっと……黒川さんに用事があって……」
『ワケありの婚礼が気になってて』なんて言っちゃいけない気がする……。
やましい気持ち……というのかどうかわからないけど、咄嗟に余計なことを考えたわたしはつい、ごまかして返事してしまう。
「あ。そうそう! 黒川くんから聞いたよ? さっき!」
「へ? な、なにをですか……」
もしかして、式場にわたしがいた理由?!
だとしたら、今わたしがウソ言ったこと、もうバレてんじゃん!!
あわあわと動揺していると、香耶さんはにっこり笑顔で上品に手を合わせて言った。