幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


「あ、音楽か!そうだ移動だったんだ」

「あははっ、あの先生うるさいから遅れたらチクチク言われるよ!」

「だねー。ごめんみのり!次音楽だった」


ユリの言葉でやっと顔を上げた。


「ごめんね、話してたのになんか邪魔しちゃって」


そう言ってあたしを見ていたのはあの子。


岡崎さんだった。



「……」


目が合ったまま、黙りこんでしまうあたし。


「みのり?」


そしたらユリが何も答えないあたしを不思議そうに見ていた。



「…あっ、うん。大丈夫。音楽でしょ?あの先生うるさいもんね!早く行きなよ」


あたしは今、うまく笑えているだろうか。


精一杯笑ってみたけど、顔の筋肉が引きつっているような気がした。

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