幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「また続き聞くし、みのり日曜日ヒマ?次の日曜はバイトないし久しぶりにゆっくり遊ぼうよ⁉︎」
「うん。ヒマ!じゃあまた日曜日にゆっくりね」
あたしがそう言うとユリはニコッと笑って岡崎さんと歩いていく。
一人きりになったベンチ。
遠ざかって行く二人の姿。
「はぁっ…」
その姿を見ながらあたしはため息をこぼした。
せっかく久しぶりにユリと二人だけで話せたのに。
それに…
ユリの言いかけたさっきの言葉の続きが気になって。
タイミング悪く邪魔をしてきた岡崎さんに、また苛立ちを感じた。
ごめんね、とか言うくらいなら話しかけて来ないでよ。
音楽室への移動くらい一人で行けっつーの!
モヤモヤした苛立ちばかりが募っていく。
いつからか、あたしは彼女の存在が鬱陶しくてたまらなくなっていった。