幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「もしもし…」
聞こえてきたみのりの声に、私はホッと胸をなでおろした。
「もう!やっと出た。私10回はかけたよ?」
「…ごめん」
いつもと違うみのりの声。
「さっきもいきなり帰っちゃうし、みんな心配してたんだからね?」
「…ごめん」
どうしたんだろう。
何でこんなにも元気がないんだろう。
色々考えてみたけど、その原因が私には分からなかった。
ただ、何かがあったんだろうとはすぐに思った。
だって、みのりがあんな風に私達の声を無視して帰ることなんて今までなかったし。
涼とケンカをした時は勝手に帰っちゃったこともあったけど…
でも…今日みたいなみのりは初めて見たような気がする。
それに…
こんなにも元気がないことは珍しい。
絶対、何かあったに違いない。