幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「私の方こそごめん!ずっと謝りたかったんだけど…なかなかタイミングがなくて」
聞こえてくるユリの声に、ホッとしている自分がいた。
「ううん、悪いのはあたしだったし。本当にごめんね、ユリ…」
そして、改めてもう一度ユリに謝ると、ずっと胸につかえていたものがスーッとなくなっていくような気がした。
ケンカしてから5日。
5日なんて考えてみればあっという間だけど、ユリと話さなかったこの数日はとても長かった気がする。
「実はさ、ちょっとヤキモチ妬いてたんだ」
えっ?ヤキモチ…?
「仲直りしようって思ってB組のぞきに行ったら…アリサちゃんだっけ?あの子と真鍋君と三人ですっごく楽しそうにしてて」
「うん…」
「そしたら何か…私なんてもういらなくなっちゃったのかな?とか思ったりして。バカでしょ、ヤキモチとか」
ユリ…。
「あたしも…」
「えっ?」
「あたしもね…ずっとヤキモチ妬いてた」
「みのりも?」
「うん…。ずっと言えなかったけど、岡崎さんにユリを取られたみたいに感じたりして…嫉妬してたの」
言えなかった気持ち。
我慢して抑えこんでいた気持ち。
あたしは初めてそれをユリに話した。