幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「おかえり、もうご飯出来たわよ」
「うん。手洗ってくる」
家に帰ると、もう晩ごはんが食卓に並んでいた。
「涼兄と公園で遊んでなかった?」
「えっ?」
そして食べ始めてすぐ。
目の前に座っていたひかるがそう聞いてきた。
「公園の前通ったら姉ちゃんと涼兄が見えたから」
「あぁ…。遊んでたっていうか…ちょっと話してただけ」
「ふ〜ん」
ひかるはそう言うとニヤニヤしながら笑う。
「何よ」
「別に〜」
あからさまにニヤニヤしている。
「何」
「いや、何かカップルみたいだったから涼兄と姉ちゃん」
「バッ、バカじゃない?何言ってんの」
何故か動揺したあたしはお茶を飲もうとコップに手を伸ばした。
「あっ…」
その瞬間、コップが倒れてお茶がこぼれてしまった。
「ははっ、姉ちゃん慌てすぎだし」
「うるさい!」
「でも俺、姉ちゃんと涼兄がくっついたらいいな〜って思ってるけど」
「はぁ?勝手にくっつけないでくれる」
こぼれたお茶を拭きながら、あたしはひかるをジロッと睨んだ。