幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
日曜日の昼下がり。
「なんだ、涼が一番じゃん!」
待ち合わせ予定の、駅前にある噴水広場の前。
「早いね!」
聞こえてきた声に視線を向けると、ユリがそう言いながら歩いてくるのが見えた。
「おっす」
すぐそばまで来たユリに俺がそう言うと、周りをチラチラと見渡しながらユリが口を開いた。
「ねぇ涼、大丈夫かな?」
「何が?」
「今日のことね、隠して行くのは嫌だったから四人で行くってみのりに話しておいたんだけどさ」
「うん。大丈夫…だと思うけど。お前とも仲直りしたんだろ?隠して行くよりは話しておいて良かったと思うけど」
「…だよね」
ユリはそう言うと、安心したようにふぅっと息を吐いた。
「っていうか涼、今日試合終わったらさ」
そして、俺に何かを言いかけていた。
その時だった。
「涼くーん!ユリちゃーん!」
後ろから近付いてくる声と足音。
振り返ると、岡崎が駆け寄ってくる姿が目に映った。