幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「すげー!めちゃくちゃ近い!」
「本当だー!」
「超いい席だね!」
そして競技場に着いた途端、一気に上がる三人のテンション。
ハルもユリも岡崎も、興奮気味に周りを見渡している。
確かにいい席だった。
ベンチの後ろの前から二列目。
俺、岡崎、ユリ、ハルの順に横並びに座った。
コートの真ん中あたりだから、選手が出てくる瞬間なんかもすぐ近くで見られた。
「あ!あれ、鈴木選手だよな!」
「かっこいいー!」
はしゃぐハルたち。
「鈴木って去年の得点王だっけ?」
「おー!そう!得点王!今年も今んとこ…」
「えっ⁉︎なんて⁉︎」
「今んとこゴール決めてんの1位だったはず!」
「おー!そうなんだ⁉︎」
賑わう競技場。
声が聞き取りづらくて、端に座るハルと話すたび、隣にいる岡崎と目が合った。
ったく…ハルと話すだけなのに岡崎が間にいるといちいち緊張するっつーの。
隣にはミニスカ。
やっぱ目のやり場に困る…。