幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜


「えっ、いやっ、だからそんなんじゃないって。楽しいし!ごめん、試合中に携帯なんか触って」


シュンとなった岡崎の横顔は、なんだかすごく悲しそうに見えた。



「本当ごめん!」


だから、謝りながら携帯をポケットの中に戻して。



「見てほら!あっ!ゴールいくんじゃね?ほら!」


うつむく岡崎の肩を揺らしてゴール付近を指差した。


「あっ…本当だ!やばい!」


顔を上げた岡崎はそう言いながら俺の指差した方を見つめて。


「わぁーっ!入る!入る!入ったー!」


ゴールが決まった瞬間、そう言って大きく飛び跳ねた。



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