幼なじみ〜近くて遠い恋の距離〜
「サッカー楽しかったなぁ!」
「うん、楽しかった!岡崎さん今日は誘ってくれてありがとね」
「ううん、こちらこそ!本当楽しくてあっという間だったよ」
電車に揺られながら地元の駅へと向かう俺たち。
今日の試合の話をしていると、あっという間に見慣れた景色が窓の向こうに見えてきた。
「旭町〜」
そして車内にアナウンスが響く。
話をしながら電車を降りて改札を抜けると、ユリが俺のすぐそばに駆け寄ってきて。
「私今からみのりのとこ寄るから一緒に帰ろ」
俺のそばで小さな声でそう言った。
「あぁ、オッケー」
自然とそう返事をした時だった。
「涼くん、今日…」
岡崎がそう言って俺をジッと見つめる。
今日?
今日………あっ!
「ごめんユリ、今からちょっと岡崎と」
「…えっ?」
「ごめんハル、みのりの家までユリのこと送ってやってくんねえ?暗くなってくるし」
「えーっ…ったくしょうがねえなぁ」
ハルはそう言いながらもユリの背中をぽんっと軽く叩いて。
「痴漢されるようなタイプじゃねーけど送ってってやるよ」
そう言って笑った。